日記 2025/10/26 香山哲著『香山哲のプロジェクト発酵記』を読んだ感想。
天気:曇り
メンタル:まあまあよい
香山哲著『香山哲のプロジェクト発酵記』(イースト・プレス、2022)を読んだ。
この本でおもしろいし特筆すべきだと思うのは「寿命」をきっちりと計算に入れてプロジェクトを計画していることだ。一般的な計画を立てることについての本のなかで、「なにかをするということはそれだけの『寿命』を不可避的、不可逆的に消費しているということなんですよ」と当たり前のことを書いている本はそうないのではないかと思う。当たり前すぎて書かれていないのかもしれない。でも、寿命があることを意識するというのは非常に重要なことだ。しかも普段はあまり意識していない。注意したいのは、「人生にはいつとも知れない終わりがあるから、衝動的、刹那的に今を精一杯生きよう」ということでは決してないということだ。むしろ、いろいろなことが起こり得るし長く生きる可能性があるがゆえに無理をしないために今を慎重に生きるとか慎重に計画を立てて後戻りができるようになろう、無理なく計画を遂行できるようにしようということが重視されている。
雑で勝手な要約を許していただければ「損切りを的確に早い段階でできるようになろう」ということではないかとも思う。もし、プロジェクトがスタートしてから「これはやめたい」と思ったとしても、損切りができないと「せっかく長い時間を書けて準備したから」、「せっかくお金を投資したから」、「人に手伝ってもらったから」などといった理由で「やめるにやめられない」という状況に陥るかもしれない。そうなってしまったら一番損害を被るのは自分の「寿命」だ。そのプロジェクト期間はずっとそのなにかのために楽しくない思いに耐え、なおかつ寿命まで不本意に使わなくてはならない。やる気もしだいに失せていく。
そういうことはもったいないのでまず第一に避けたい。そのためにそうならないよう考慮して計画を立てる。いつでも後戻りできるしやめてもいい、あるいはやめたいと思わないで済むような無理のない計画を立てる必要があるのだ。
読んでいてとても勉強になったし、今の自分にはできていないことだと感じた。この本をお供に自分にとっての「生きること」を計画してみたいと思った。