小説:朝焼け通信 2025/05/02

グッドモーニング、夜行浜町!
時刻は2145年5月2日、午前4時を回りました。
拾井セキの朝焼け通信をお届けします。今月は「フィジカル」というテーマでお送りします。

◯オススメの本
今回オススメする本は、先月、オーバークロック・パブリッシングから出版された水浅葱マリ著『レディアント・プログレッシヴ・ブック』です。水浅葱氏は書籍の中でも物理書籍を専門に取り上げて紹介している知る人ぞ知るライターで、特に、紙の材質や匂い、スピン、小口デザインを取り上げた章は必読です。現代の人にはあまり馴染みのない物理書籍の世界について知識を深めてみてはいかがでしょうか。また、この本は広告まみれのデジタル書籍に疲れている方にもおすすめ。なんと広告がいっさいありません。普段、デジタル書籍しか読んだことがない人が初めて物理書籍に手を出す際にもおすすめです。紙の単行本としては破格の4480円。デジタル書籍と比べると非常にお高めの価格設定ですが、物理書籍でしか味わうことのできない唯一無二の体験です。

◯オススメの一曲
今回オススメする一曲は、今年の春にデビュー5周年を迎え単独ホールツアーを敢行中の3ピースバンド、ジ・オンエア・クライシス(@リボルバー・レコーズ)の一曲。「フェイド・一途・アウト」。チャートの3割を生成スティルアイのアーティストが占めている昨今、実在バンドとして最近では異例の有観客ライブチケットが軒並みソールドアウトするほど人気が爆発している彼ら。7月にはここ夜行浜のホール、ファンタスティカ夜行浜にて2デイズを予定しています。今回の楽曲はなんと100年前のメディア媒体であるコンパクト・ディスクの形態で4月から販売しているもの。もちろん脳端末への直接ストリーミングによるいわゆる直聴きも可能ですが、コンパクト・ディスクを専用端末で読み込んでイヤホンを耳につけて聴くという体験は、現代ではすっかり忘れられかけている身体の存在を改めて思い出させてくれます。

◯夜行浜商店街 presents ヤコウハマタウンマップ
このコーナーでは夜行浜町の最新のトピックをお届けします。本日の夜行浜町は、一日中晴れの予報。日中は気持ちのいい風が吹くでしょう。こんな日はバカらしい労働は早めに切り上げて外に散歩へ行ってみたくなりますよね。今家に引きこもりがちという方も10分でいいから散歩してみると気持ちいいかもしれないですよ! かくいう筆者も仕事柄、家に引きこもりがちなので今日は鎖裏川沿いを散歩してみるつもり。鎖裏川といえば、川岸の土手はピクニックにうってつけ。鎖裏川沿いにある夜行浜商店街には、最近新しいパン屋さんができました! 名前は「ベーカリーサイト・トーチ」。店主が特別にこだわった油で揚げたという、揚げチョコチップスティックバナナパンは早くも人気で朝から長蛇の列ができているそう。サクサクの食感は実際の食べ物特有のものですよね。食用ネズミの疑似データ注入もお手軽でいいけど、たまにはピクニックをして実際に太陽の下でパンを食べてみるというのもたまの贅沢にいいんじゃないでしょうか。揚げチョコチップスティックバナナパンは一本350円で販売中。「ベーカリーサイト・トーチ」はくじら通り駅北口から徒歩3分。月曜定休です。

最後にお送りする朝焼け通信今週最後の一曲は100年前のバンド「Yakouhama Midnight Club」のデビューアルバム「To the Lighthouse」より「Mercator-Land」をお送りします。朝焼けがもうそこまで来てるぞ!
ではまた今度!

 

ご協力:夜行浜商店街、ベーカリーサイト・トーチ

 

 

※この小説はフィクションです。実在の人物・団体・事件とはいっさい関係がありません。

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