自己否定をやめる100日、52日目 2025/1/14

天気:晴れ

メンタル:吹雪


『ソーンダーズ先生の小説教室』を引き続き読んでいる。この本のいいところは、教材にする短編がそのまま全訳が掲載されているので、自分で訳書を入手する必要がない。今はトルストイの「主人と下男」を読んでいる。この話は主人と下男が猛吹雪の中で道に迷う話だ。70ページくらいの短編で、今日一日中読んでいた。そして、すっかり共感してしまった。登場人物の二人は猛吹雪で道に迷ってしまうのだが、決して引き返そうとしない。そして、さらに困った事態に陥っていく。まだ途中なのだが、こんな感じ。読んでいる側からしたら、「そろそろ引き返したほうがいいんじゃない~?」と思うんだけど、渦中にいるとわからないもんなんだよな、と思う。悪化していても、それがわからない。あるいは、悪化しているとわかっていても、止められないのだった。もうその場をしのぐのに必死で状況把握事態ができていない。


なんとなく重ねてしまうんだ。私も道に迷っている。猛吹雪で視界は一面真っ白。体は震え、つま先の感覚はすでにないし、鼻水がたれてつららになっている。もうどこに行けばいいのかわからない。引き返すこともできない。どこから来たのかがわからないからだ。実際に、仕事を退職して、休んでいて、「次どうするの?」という状態。短編だったら、「それで?」が、今求められているのだが、その「それで?」にどうしても答えられない。もしかしたら、私の人生という短編の読者も、今の私を見てもどかしい気持ちでイライラと貧乏ゆすりをしているのかも。「簡単なことだろう。そこをそっちに行けばいいんだよ」と思っているのかもしれない。でも、渦中の私自身には「どこに行けばいいのか、どうすればよかったのか」、まったくわからないでいる。


だから、この短編にはとても共感している。ソーンダーズ先生がどういうふうに読み解いていくのか、解説編も楽しみである。


このブログはもともと坂口恭平『自己否定をやめるための100日間ドリル』を実践するという目的で始められたが、いったん、もう自己否定をしてしまう精神状態ではないし、自分の精神と関係ないことばかりを最近書いていて、ブログのタイトルに「自己否定をやめる100日」と銘打たずとも日記は日記として書きたいから、「自己否定をやめる」編は52日目にて終了としたい。明日からは別のラベルで日記にしたい。わからないけども。いったんね。

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